この日記はフィクションです(^^)

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ここで装備していくかい?

※この日記では恋人と私の週末デートの様子をただただお送りしております。苦手な方はご遠慮ください。

 

デートの待ち合わせはいつもドキドキするな。恋人の到着をそわそわ待っていたり、先に到着している恋人を探してきょろきょろしているのを見つかって照れくさかったり。その日はルームフレグランスを見るのに新宿に寄って、その後浅草で遊ぼうという予定を立てていた。つまり、待ち合わせ場所は新宿。新宿はダンジョン。ダンジョンは方向音痴を迷子にする。私は方向音痴。ああ、迷子の私。相手は十分程遅刻する(との連絡に少しホッとしたのはたぶんバレている)というのに、これでは私の方が遅れてしまう。しーんじゅくーでーまーいごー、わたしーどこへーやーらー……やっぱり、デートの待ち合わせはいつもドキドキするな。

 

なんやかんやで目的地に着く。先に到着できたぞ!と内心ガッツポーズ。レイヤードフレグランスの直営店で、スタッフのお姉さんとお話しながら恋人の到着を待つ。普段からここのボディースプレーを好んで使っていて、今回はもうすぐ空くアクアビットの瓶をルームフレグランスの容器にしようと思ってその中身を探しにきたのだった。恋人も到着し、二人でわいわい言いながら選んでいく。選択肢は減るどころか増える一方だ。楽しいなあ。普段は足りなくなると通販で買い足していて、実店舗で購入するのは初めてだった。実店舗の恐ろしさを感じる私。何が恐ろしいって、すべての香りをかげるのだ。むくむくむくと膨らんでいくコイツは購買意欲です。結局、ルームフレグランス一つと携帯用ボディースプレーを四つ手にしてお店を後にする(あれれ)。

 

嬉しかったのは、恋人のボディースプレーも一緒に買えたことだ。すっきりほっこりスパイシーとでも言えばいいか、とてもいい香り。私も普段とは違う香り(こっくりほの甘ウッディー、これからの季節重宝しそうだ)を手に入れて、二人ともそれはそれは楽しくなっていた。ということで……

ここで装備していくかい?
▶はい
 いいえ

各自お手洗いに散り、首筋と手首にそれぞれひと振り。二人ともいい香りになって戻ってくる。自分がほのかにいい香りではしゃぎ、お互いの香りをかいでやっぱりいい香りだとまたはしゃぐ。香りの相性もよくて、いつもより少し軽快に二人で並んで歩く。こいびと と のん は とても たのしそう だ !

 

電車に乗り、山手線ぐるぐる。浅草に行く前に池袋でお昼を食べる。昼からビール、とめちゃくちゃ美味しいハンバーガー。待っている間も、あ!いい香りだ~!と言い合いはしゃぐ。完全に新しいおもちゃを手に入れた子どもだ。とにかく楽しい。

 

そして浅草に到着。花やしきでこれまた子どものようにはしゃぐ。それぞれのアトラクションの看板がいい。文字がいい。少し色あせている感じもいい。お祭りみたいに輪投げがあるのもいい(けど、二人揃って一つも成功しなかったね、わはは)。なぜかVRアトラクションもあって、笑っちゃうくらい花やしきには不釣り合いでそれもまたいい(お気付きの通り語彙力は出かけています)。

 

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絵本に出てくるみたいな可愛い船に乗って花やしきの上空をぐるり……と思っていたが、私たちが乗る船だけ「お前は地獄から来たのか?」と言いたくなるごっついやつだった。なぜ一つだけ。笑った。あ、いい香りだ!(まだやってる)

 

その後もクレーンゲームをやったり(二人とも取れない)、駄菓子屋にありそうなウルトラマンゲームをしたり(二人ともゲームオーバー)、これまた駄菓子屋で見かけるような野球ゲームをしたり(二人とも負けた)、とめいっぱい遊んで満足した私たち。出口にあるお土産屋さんをサクッと見て飲みに行くか~と思っていたら、ここに罠があった。

 

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い、勢いがねえ~~~!!!そして顔~~~!!!好き~~~!!!

 

このハナヤシキプロレスのピンバッジ、もちろん光の速さで購入しようと決意する。あとは「おだやか」と書いてあるポップな缶バッジも可愛くて、うーん悩む、悩むなあ、悩むけれど、うー、やっぱりそれも買う!ちなみに恋人はというと、パンダカーに乗った男の子が描かれている濃い緑色のボールペンを買っていた。二人してお土産屋さんを満喫してしまった。こりゃやられたぜ……(は?)さて、お店を出てピンバッジを改めて見つめる。

ここでs
▶はい!!!
 いいえ

最近気に入って身につけている目玉焼き焼きおじさんピンバッジをポーチにしまい、やる気なしレスラーを左胸につける。妙に今日の服と似合ってまたもはしゃぐ。可愛い。服に装備するとなおのこと可愛く見えるなあ。のん は るんるん に なった !

 

そろそろ日も暮れてきて、夕飯を食べたい時間だ。少し肌寒いし、事前に「行ってみたいね~」と話をしていた、仲見世通りから少し離れたおでん屋さんへ向かう。うー、おなかはペコペコだしお酒も早く飲みたい。お店を目指してたったか歩く。程なくして到着!がしかしなんと定休日!デデドン。でもこんなことではへこたれない我々。これで堂々と仲見世通りへ戻れる!という謎の自信を得てお店を探し始める……と思いきや、「酒がある」と呟き(恋人は私に引けを取らない語彙力の持ち主なのだ)、酒屋を覗いたり酒屋を覗いたり酒屋を覗いたりする。グーグー鳴るおなか。うーん、どこに入ろうねえ……あ。二人して立ち止まる。賑やかな通りの中では控えめな佇まいの小料理屋。そして「どびん蒸し」の文字。顔を見合わせうなずく。はじめからここに来る予定だったみたいに店内に吸い込まれていく。

 

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見なさい、このどびん蒸しを。美しい。無限に飲める。なんてこった。どびんから直飲みしたい。それもおっきなやつで。景虎の熱燗が進む。こはだ刺しも海老しんじょうも絶品。特に、海老しんじょうと景虎の熱燗がやたら合う。ちょっと胸を張って言うが、私たちは美味しいものへの嗅覚が鋭いのだ。いや、普段は恋人の方がよっぽど鋭いか。でも今回に関しては「私たち」と言っていいな。えっへん。食べたいものもとても似ていて、それもなんだか嬉しくて、そして美味しいものにありつけて、満足げな二人。

 

その後はもちろん(!)ハシゴして、肝醤油でカワハギを食べたり、やけに美味しい黒糖焼酎を飲んだり。すっかり満足して、本日の宿泊地であるブックカフェへ向かう。

 

ブックカフェでは、各々気になる本を何冊か選んでひたすら読んでいた。ふかふかソファーの上でゆったりした時間が流れる。だんだん眠たくなってくる。あ、ここいいな、と恋人をつついて私の読んでいる本を見せる。恋人も面白いところがあると私に見せてくれる。静かにウケる。ほんとは声を出して笑いたいけどそれはできないから、表情がいつもより大きくなる。楽しい。夜も深まりラウンジは消灯。本棚の隙間にあるベッドに移動して、続きを読む。あとは眠るだけだ。だけど、やっぱり浮かれている二人はボディースプレーをひと振りする。ふあー、いい香りだ。静かにはしゃぐ。私は次の日が早いので先に眠るが、恋人はその後もしばらく本を読んでいたようだった。たしか、出汁の本。

 

翌朝、あの本どうだった?と聞くと、キリッとした顔で「美味しそうだなということが分かった」と答えてくれた。そんなことだろうと思ったよ。